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​スーラ

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Georges  Seurat

1859~1891

私の名はジョルジュ・スーラ

のことを印象派の画家だと思っている人は少ないと思う。

私自身も特に印象主義者だとは思っていない。ただ、印象派画家たちとは同じ時代を生きたことで彼らの影響を受けたことは事実だ。

特に印象派展を主導的に活動していたピサロにはいろいろ世話になり「第8回印象派展」には「グランドジャット島の日曜日の午後」を出品している。おかげでモネやルノワールそのほか多くの画家たちと知り合えたのは良かった。

 

しかし、知り合えた画家仲間からは私の点描画の技法や理論はあまり理解されなかったようだ。それどころか印象派分裂のきっかけになってしまった。

その結果、新印象派の一人として分類されるようになりドガ、ゴーギャン、ゴッホらと知り合うことになった。

私の技法(点描法)をシャニックやゴッホが模倣するようになったことはうれしいが、一方で私自身の独創性が薄れてしまうような気がして複雑な気持ちだった。

 

資産家に生まれた私は絵を売って生計を立てる必要はなかったので家に引きこもる時間が長くなった。それに、私はもともと人付き合いが苦手で内向的な性格なものだから、画家仲間との交流を断ち自分の殻に閉じこもってしまったのだ。もう少し社交性があったなら自分の人生も変わっていたかもしれないが・・・・

 

ただ後年、シャニックが新印象主義を雑誌などで紹介してくれたおかげで注目を浴びることとなったのは感謝しなければならない。

シャニックがいなければ私は無名の画家で終わっていたかもしれないのだから。

私の作品は一風変わった作品かもしれない、でも私の作品を観てもらえれば私の理論の正しさを分かってもらえるかもしれない。

​出来たら一枚買ってください。

『グランドジャット島の日曜日の午後』

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上の作品は私の代表作で自慢の逸品でもある。第8回印象派展にも出展した。

この作品はグランドジャット島の風景を描いたものだが、実に評判が悪かった。

​しかも、画家仲間にだ。「人々が皆真横を向き不自然だ」とか「地面の草がきれいに刈り取られきれいすぎる」とか「色彩が不自然に明るい」などいろいろな指摘を受けた。

不思議なことに批評家たちの方がこの作品の技法に理解を示し、斬新な技法で絵画界に新しい風を吹き込んだとしてとして高く評価してくれたのである。そして「新印象派」などと持ち上げてくれたのだ。

下の写真、グッドアイディアですね。右の日傘をさしている女性のバッグには印象派のカイユボットの「パリの通り・雨」の絵が模様になっています。犬までモデルとなって協力しています。(場所はグランドジャット島ではない)
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​現在のグランド・ジャット島

​セーヌ川の中州であるグランド・ジャット島

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